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生徒さんへ感謝を込めて
2016年9月24日(土)
御見舞への謝恩茶会を開く


 
 
 
 
 
草芽庵の小池宗雅庵主は眼の疾患のためしばらく日本で治療に専念していましたが、9月初めにニューヨークに戻り、お稽古を再開しました。養療期間中に生徒さんから温かい心のこもったお見舞をいただきましたので、9月25日(土)、その感謝の意を表する茶会を草芽庵で催しました。

午前10時に席入り、今年の利休忌引体験した「茶カブキ」を楽しみました。かねてから交遊のある食品評価の新規企業を立ち上げたアメリカ若い友人(大学茶研究会のOB)ら3人をゲストとして招きましたが、彼らにとって茶カブキは初の経験とのこと、三種の茶の銘柄を当てる茶カブキに高い関心を示しました。茶カブキの正解者に賞品、全員に庵主からのお礼の品が渡されました。

正午過ぎに茶会は終了、近くの日本レストランに席を移し、久ぶりの顔合わせに会話がはずみ。心づくしの特別料理に舌ずつみをうって午後2時過ぎに散会しました。

利休忌 「和敬清寂」の原点に帰る
2016年3月26日(土)


 
 
 
 
 
草芽庵では3月26日(土)午前10時45分から表千家の創始者を偲ぶ「利休忌」の茶会を開きました。正確には3月(旧暦では2月)28日が命日ですが、生徒さんたちの勤務状況などを考慮し、毎年、命日に最も近い稽古日の土曜日に実施しています。利休が秀吉から切腹の命を受けて生命を絶ったのが1591年、今年は425回忌に当たります。
先ず亭主と客各人との挨拶の交換が行われ、利休忌に臨む各人のさまざまな考えが披露されました。利休は現代でも小説や映画の題材に取り上げられる有名人ですが、出席者からは利休が茶の湯は現代でも生きており、利休がテーマとした「和敬清寂」の境地の習得に努める心構えが次々と述べられました。厳粛な雰囲気の下で天目茶碗での供茶が行われました。

茶カブキは3人が正解
座を改めて追善行事として七事式のうち3種の茶名を当てる競技の「茶カブキ」を行い、日頃の茶の味覚がテストされました。緊張と期待が高まる中、お稽古でよく使われている上林園春松本店詰、柳桜園詰に加え、客持参の茶の小山園詰の計3種の濃茶を次々と味わい、投票の結果、3人の全正解者が出ました。

大盛会のポットラック・パーティー
茶カブキの好成績で座が盛り上がるとともにリラックスした雰囲気となりました。そこでいよいよ皆が楽しみにしていた参加者各人が料理を持ち寄ってのポットラック・パーテイーが始まりました。赤と白のワイン、自家製果実酒、レモンジュース等の飲み物はもちろん、ビーフリブ、チキンから揚げ、酢たこ、ミックス野菜サラダ、ちらし寿司、天ぷらうどん、さらにケーキ類等々、テーブルに載せきれないほどの豪華版でした。とても食べきれずに希望者は好みのものを持ち帰り自由の豊かさでした。

有意義かつ楽しい利休忌の茶会でした。

早春の茶会 おもてなしの心を学ぶ
2016年2月26日(土)


草芽庵では2月26日(土)午前10時から早春の茶会を開きました。ニューヨーク地区の表千家流では既に2月上旬に合同の初釜を実施していますが、草芽庵としてはこの日が今年初の正式茶会なので、先ず庵主の小池宗雅表千家教授の年頭の挨拶から始まりました。
小池庵主は茶道のお稽古を通じてお点前や客の作法を習得することは勿論大切ですが、より重要なのは「亭主は客を、客は亭主をそれぞれ思いやって、それぞれおもてなしの心を養成する」点にあることを年頭言として強調されました。

“おもてなし”という言葉は東京オリンピックのプレゼンテーションで有名になりましたが、もともと茶道にはその原点ともなるべき精神が備えられており、茶道が日本文化に深く根差していることを改めて説明しています。とかく技巧に走りがちで肝心な“心”をないがしろにしがちな風潮に警鐘を鳴らしているようでもあります。

引き締まった雰囲気の中で紹鴎棚を使って濃茶席が始まり、ベテラン弟子のパパアントニオさんが亭主役を務め、後半はややリラックスな空気となり、中堅の林さんが薄茶を点てました。庵主心尽くしのランチに舌鼓をうち、皆今年の精進を胸に秘めつつ和気あいあいの内に閉会しました。

草芽庵ゆかりの会(東京) 初釜
1年ぶりの再会を楽しむ
2016年1月17日(日)




 

 
 

ニューヨーク草芽庵で表千家流茶道を学び帰国された方々による恒例の「草芽庵ゆかりの会初釜」が1月17日(日)、東京都文京区の桃渓庵で開かれました。亭主を務めたのは都原千恵子さん、正客は小池草芽庵主ら出席者の中から小暮和泉さんが勤めました。
皆さん1年ぶりの再会を祝し、新年の挨拶を交わした後、午前10時45分席入り、炭点前、懐石料理、主菓子と順調に進みました。仲立ち後は濃茶、薄茶を美味しくいただき、さらに福引、懇談と初春のひと時を楽しく過ごしました。

会記

寄付掛物 三河万歳の絵
本席掛物 猿抱子帰青嶂後    雪底筆
花入   青竹柳差結柳
花    結び柳 椿
釜    真形歌絵地紋     美之助
炉縁   面青海波壺々蒔絵   華正
及台子             陽斉
皆具   緑金襴手桐唐草    陶楽
香合   萩 松笠       休和
茶入   朝日焼        而妙斎箱書 福寿
仕覆  弥左衛門間道
茶碗  嶋台
 茶杓   宝船 大亀      誠中斎削
 棗    扇面流蒔絵      而妙斎在判 松雲
  茶碗  仁清写 柳の絵    即全
  替   乾山写 梅松の絵   真葛
 茶杓   黒壇 梅蒔絵     祐助
 濃茶   而妙斎好み 柏木の昔 碧翆園詰
 薄茶   小倉山        小山園詰


「茶事」を通して、おもてなしの心を学ぶ
2015年10月稽古のテーマ


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
茶の湯の本質の姿は「茶事」にあります。客と亭主が一体となって、今日の「一期一会」を再び帰らざることと心して、亭主が心づくしで設えた茶室で、炭点前と共に懐石料理、酒席、濃茶、薄茶と4時間余にわたり終日味わい楽しむことこそ茶事の醍醐味です。日々のお稽古はまさにこの「茶事」を楽しむための準備作業なのです。

かって茶事は茶人やその知己の方々の少数の親しい仲間内で常日頃ごく自然に行われてきました。そうした過程で質の高い茶道、茶の湯が自然と発展してきたのです。
ただ、現在では生活様式の変化でこうした茶事の機会が少なってきたことは否めません。茶会の規模が大きくなった半面、その内容は濃茶または薄茶に点心弁当が付く「茶会」が一般的となったようですし、お茶と会席料理を組み合わせた営業店も普及しています。

草芽庵では、こうした事情の変化を認めつつも、いや、むしろこうした変化のなかでこそ、茶の湯の本質を具体的に教えている「茶事」の習得が重要であるとそのお稽古に力を入れております。茶事を習得すれば自ずと「おもてなしの心」が醸成されると期待できるからです。

日頃の稽古のまとめとしてのリハーサルを2015年10月17日(土)午前9時30分〜午後2時に行いました。

本番:2015年10月24日(土)午前9時30分〜午後2時
場所:草芽庵 347 West 57th Street Suite 15 C New York , NY 10019
参加者:おもてなしグループ:大西和泉(亭主)小池康夫(初炭)、
続き薄茶(中島万寿夫 & ファン実保)
懐石(大西、オキセンダイン、中島、実保)
客グループ:Edomond Papantonio、(正客)、Jamese・Fichere(次客)、
吉沼直子(三客)、晴山 拓(四客)、林 嘉次 (第二正客) 
山川るり子(末客)、
 
実技:長板を使った「炉の続き薄茶」
1、全員集合:9:30A、使用道具の設営準備。
2、準備終了:10:10A、全員白湯を頂く。
3、席入り:10:30、手水を使って後、席入り。(エド、ジェームス、直子、拓、嘉次、るり子)
4、初座の挨拶:11:00
5、初炭:11:15
6、懐石:11:45(正客分は亭主がもてなす)
@膳を運ぶ〜@ご飯スプーン1、丸型、膳手前右側に置く。
  A白味噌半杓、膳左点前に置く。麩、舞茸、サトイモ、解きからし、
  B向う付け、向う付け、ハムのセロリ巻2、わさび、C箸
  主「なにとぞお取り揚げを」 客互いに「お相伴を」
A銚子と杯〜右手に銚子、左手に人数分の杯をのせた杯台。
B煮物〜@亭主は正客分のみ、半東は長盆で次客以下全員の物。
  清まし仕立て、えびのしんじょ揚げ、いんげん2、千切人参 焼椎茸、
  主「暖かい内に温かいうちにお召し上がりを。」
主「しばらく勝手の方で相伴いたしますから、ごゆっくりお召し上がりを」 
C飯次と汁かえ〜@1回目の飯次と汁かえ。ご飯は人数分取り切り、汁は常の半杓。
  A折を見て銚子を勝手へ下げ、酒を温める。
D焼物〜@皿に焼魚を人数分盛り付け。付菜箸。さけの幽庵焼、正客に預ける。
E飯次と汁かえ〜@2回目の飯次には充分なご飯を入れる。A汁かえは遠慮する。
F銚子〜正客に預ける。
G強肴〜@ご飯のおかずになる一品。ほうれん草としめじのゴマ味噌和え。
  (焼き物から、飯次、銚子,強肴までは続けて出す)
  主「しばらく勝手の方で相伴いたしますので、ごゆっくりお召し上がりを」
  「酒、ご飯が足りませぬ時はお申し付け下さい。」
  客「ご亭主様もお持ち出しでご一緒にいかかですか。」
  主「勝手の方で相伴しますから」 
  *襖を閉め、亭主相伴〜約15〜20分
  末客は正客、連客にはかって飯次、銚子、強肴を茶道口に、杯台は正客に返す。
  客は煮物椀を懐紙でふき膳の向こう中央に出し、膳は初めのように朱杯も置く。
  亭主は時分を見計らって茶道口をあけ、「酒。ご飯は足りましたでしょうか。」と挨拶し道具類を取り入れる。
H吸い物〜@通い盆に吸い物を。梅肉、針生姜、わさび。 煮物椀を引く。
  主、茶道口で「なにとぞお吸い取りを。」
I八寸〜@右手に銚子、左手に八寸盆を持って出る。
  A八寸盆には右向うに海の物、左手前に精進の物を盛り,両細の青竹を添える。
  海の物サラミソーセージ、精進の物セロリ塩ふり、
J千鳥の杯〜@末客まで1巡すると、再び正客に戻り。
  主「なにとぞお流れを」と所望。正客「ご用意のお杯のお持出しを」
  主「ぜひそれにて」 主「しばらくお盃をお借りします」
  最後に、「長々杯を拝借して有難うございました。」
  正客「もはや充分いただきました。これにてご納杯を。」
  「なにとぞお湯を頂きたい」
K湯と香の物〜@湯盆の左に湯桶、入り米。左に香の物、真ん中に湯の子すくいを置く。A膳先に出された吸い物椀を全部のせ、茶道口に下がる。
  「お湯が足りませんときお申し付けを」茶道口をしめる。
L膳を引く〜各自食器の片付け、末客は料理器を茶道口に返却。
  箸の落ちる音を聞いて、亭主は茶道口をあけ器を引く。
  「失礼いたしました。」
M菓子〜@菓子を運び出し、茶道口に下がり「なにとぞお取り回しを、お召し上がりの後、しばらく腰かけまでお出ましください。」
  「ご用意ができましたらお鳴り物でご合図を。」「ご都合にさせていただきます」と会話。羊羹 (虎屋製)、
7.中立ち〜正客から
8.後座の準備〜@返却された菓子器を取り込む。炉釜の蓋を閉め。掛物をはづし、花を生ける。
  A長板の前に茶入れを置きつける。香をたく。
  B釜の蓋を切り、茶道口の戸は手がかりだけ少し開けておく。
  C迎えつけの合図をする, 広間の合図、釣鐘五回(大小中中大)
  (小間の場合、どら七点大小大小中中大)
9.後座入り〜 Edomond Papantonio、(正客)、Jamese・Fichere(次客)、
  吉沼直子(三客)、晴山拓(四客)、 林嘉次 (第二正客) 
  オキセンダイン麻子(六客)、大西和泉〈七客〉山川るり子(末客)
10.続き薄茶〜@濃茶、松風の昔 (上林春松本店) *薄茶、綾の森 (前述に同じ)
  A敷物、煙草盆、干菓子を出し、寛いでいただく。
  とうきびチョコ、季のこよみ。
11.道具の拝見〜客の拝見
12.退出〜 全員で後片付け

<実施後の感想>
今月のねらいは、"おもてなしの心を学ぶ"体験でした。正直なところ、これまで何回も実施してきましたが、今回の運営は極めて難航しました。収穫も大でしたがそれを上回る反省点が見受けられました。"茶事百篇返し"と言われます。反復修練の体験が重要であり、指導方法にも工夫が必要であると考える茶事でした。今後の私の指導の糧にしたいと思います。(宗雅記)


2015年8月9日(日)
東京都文京区で「ゆかりの会スピンオフ茶会」


 
 
 
 
 
ニューヨーク草芽庵で表千家流茶道を学び帰国された方々の「定例ゆかりの会初釜」とは別にゆかりの会スピンオフと銘打った茶会が8月9日、東京都文京区の「区営ふれあい館」で開かれました。亭主を務めたのは都原千恵子さん。ニューヨーク在勤時に草芽庵の小池宗雅表千家教授のもとでお稽古に励み、現在は自宅近くの同館で茶の湯を指導しています。
同ふれあい館は茶道教室のほか各種の文化行事が行われる施設で、茶道教室の道具の大半は都原さんが持参したものです。正客として招かれた小池教授は「教え子の茶会に招かれる以上の喜びはありません」と、都原さんの厚意に感謝し、その成長ぶりを喜び、このような輪がさらに広がることに期待を寄せていました。

2015年5月30日(土)
小池宗雅庵主の喜寿を祝う


 
 
 
 
 
 
草芽庵の小池宗雅マサ子庵主が今年目出度く満77歳を迎え、喜寿のお祝い会が5月30日、マンハッタンン・ミッドタウンの草芽庵、続いて同ダウンタウンのレストラン・ブーレイに席を移して開かれた。生徒さんたちが自主的に企画、運営した。
席上、在ニューヨークの生徒さんからの寄せ書きのほか、帰国したかっての生徒さんの「草芽庵ゆかりの会」の皆さんからのE-mailの心のこもった感謝の寄せ書きも披露され、庵主は感銘を受けた様子だった。

庵主の挨拶から
「私の日本の住まいのある我孫子市手賀沼の近くに講道館の創始者、嘉納治五郎の言葉“男ざかりは80歳から”を記した記念碑があります。嘉納はまだ日本人が短命の1860年生まれ、丁度私が生まれた1936年、東京オリンピックの招致に成功して欧州からの帰路惜しくも船中にて客死されました。(オリンピックは戦争で中止) これを見て、平均寿命が延びた現在、77歳の私はこれからが“女ざかり”なのだと激励される思いです。これからひと花もふた花も咲かせねばなりません。本日の皆様への感謝を忘れることなく過ごしてまいります。有難うございました。」

庵主から全参会者にお礼としてハワイ土産の木製亀(マグネット付)が贈られた。「鶴は千年、亀は万年」にあやかって参加者の長寿を願う庵主の思いを込めた記念品。

ブーレイはニューヨークでも著名なレストラン。順次、運ばれてくる「フレンチ・カイセキ」料理に舌ずつみをうちつつ、笑いあり、涙ありのこの上ない楽しい会となった。


2015年3月21日(土)
利休忌


 
 
 
 
 
 

桜の開花季節になると、恒例になっている利休忌の稽古「お茶とう」が始まる。仏前に茶を献じる事で、「供茶」ともいわれる。初めて「お茶とう」を習得したオキセンダイン麻子さんのお点前で、3月21日(土) 利休の遺徳を偲ぶ会を実施した。その特徴は、常の茶と少し異なり、湯の上へ抹茶を落としただけで、茶筅を使わない。つまりかき混ぜないお茶である。棚上には天目台に乗せた天目茶碗が据え置かれるが、今回は使い慣れた茶碗、棗を持ち出して点前が進められた。"緊張して手が震え、順序を間違えた、服紗を帯に付け忘れた"と、彼女の反省の言葉と裏腹に、嬉し顔,満足そうな表情が伺えた。

追善と供養のために、廻り花と精進料理の手作りを参会者一同に振る舞った。

沢山の花に囲まれた "手書絵の利休像" が、色紙上で心のこもった "もてなし" を大声で笑い喜んでいたような錯覚を覚えたひとときであった。


2015年1月31日(土)
草芽庵初釜、厳粛かつ楽しく過ごす


 
 
 
 
 
 
 

草芽庵では日本へ里帰りしていた小池宗雅庵主の帰米を待って1月31日(日)、2015年の初釜を開きました。初釜は庵主が亭主となって直々にお点前をして社中の方々をねぎらいつつ社中の今年の門出を祝う大切な行事です。ただ、今年は昨秋不慮の事故で右足くるぶしを骨折してまだ正座不能の庵主に代わり、紋付、袴に身を正した小池康夫が代点にて亭主役を務めました。
厳しい冷え込みの中参集した参加者は午前10時45分席入り、骨折治療中にも拘わらず庵主心づくしの点心料理に生徒さんたちは感激しながら舌づつみをうち、5段重の菓子器で運ばれた日本製饅頭を賞味して中立となりました。因みに点心は・・・一の箱:ご飯 物相盛、汁物:大根、わかめ、二の箱:たたきごぼう、黒豆、日の出かまぼこ、だし巻き卵、鮭の焼き串、 三の箱:鶏肉の竜田揚げ、リンゴとセロリのサラダ、吸い物:味しいたけ、麩、千切り生姜・・・と盛り沢山でした。 
後座は紹鴎棚を使って、嶋台茶碗にて濃茶に続いて薄茶が点てられ、茶入れ、茶杓、仕覆ならびに棗の拝見の後退出、ソファにくつろぎながら福引、歓談と厳粛かつ楽しく充実した一日でした。

会記

掛軸  「春入千林処々鶯」 大徳寺瑞峯院 前田昌道老師筆
花入  尺八
花   結び柳 椿
釜   阿弥陀堂
炉縁  真塗
風炉先 利休梅
紹鴎棚 塗師 宗明
茶入  銘 さざれ石 丹波焼 森本丹山作
仕覆  大燈金襴 大燈国師袈裟写
水指  青磁捻梅
茶碗  如心斎好 嶋台 楽入
替茶碗 半筒 八事釜 宗康作
茶杓  銘 初笑 大徳寺派宝林寺 福本積應老師作 浸竹 下削師 影林宗篤 
濃茶  銘 大福 初釜限定品 上林園春松本店詰
薄茶  銘 小倉山 小山園詰
菓子  黒糖饅頭 木内製菓製
干菓子 銘 千代の春 京菓子


2015年1月18日(日)
平成27年 草芽庵ゆかりの会初釜
親交のアメリカ人英語派遣教師も初参加


 
 
 
 
 
 

恒例の草芽庵ゆかりの会の初釜が1月18日(日)、東京文京区のももや桃渓庵で催されました。これはニューヨーク在住時に草芽庵でお稽古し帰国後も交流を続けている生徒さん有志が、小池宗雅庵主が毎年一時帰国する1月に自主的に開催するもので今回12回を迎えました。今年は米国で草芽庵と親交のあるペンシルバニア州立大学Tea Institute at Penn State (TIPS)の卒業生で、昨年9月からJET プログラム(英語教師派遣制度)で群馬県高崎市の公立小、中学校で英語を教えているパット・ペニーさんが特別参加、国際色豊かな会となりました。パットさんはTIPSでは表千家茶道のお稽古に励み、日本語の授業も受け、2011年の来日時には小池康夫草芽庵員の案内でパートナーのジェソンさんと共に狭山、静岡、岐阜、京都の茶関連の視察旅行、同門会本部も訪問した大の日本フアンです。中国茶により詳しい方ですが、約2-年滞在予定の高崎では表千家茶の湯の稽古を続けたいとのことです。
今年の亭主は小池康夫が担当し、羊年にふさわしく寄付には「徳は羔羊の如し」との掛軸が客を迎えました。午前10時45分席入り、利休袋棚を使用、薄茶お点前予定者が都合つかなくなったため、続きお薄で同志をもてなすこととました。本席は即中斎筆の「松樹千年翠」の軸が掲げられ、初釜独特の「結び柳」で新しい年の門出を祝いました。炭点前、点心、蓬莱饅頭と進み、仲立ちの後、濃茶、続きお薄を堪能しました。座を改めて福引を楽しみ、NYの生徒さんで帰国後瀬戸内海の島でミカン農園を経営している井場さん手作りのみかんを味わいながら歓談しました。さらに近くの喫茶店で名残を惜しむ頃は短い冬の日が暮れかけておりました。

会記

寄付  「徳如羔羊」 雪底筆
本席  「松樹千年翠」即中斎筆
釜 芦屋写 歌絵地紋真形 美之助作
炉縁 面青海波蒔絵  葦正作
利休袋棚
水指 丹波一重ぶり 陶春作
香合 宝尽蒔絵溜塗ぶりぶり  秀斎作
茶入 神奈川焼 ろくろ目 肩衝 井上良斎作
仕覆 松喰鶴金襴
茶杓 福寿 即中斎作
茶碗 嶋台 楽入作
濃茶 銘 大福 上林園春松本店詰 初釜限定茶
薄茶 銘 小倉山 小山園詰
菓子 蓬莱饅頭 笹屋
干菓子 大宰府


2014年11月8日(土)
終日、口切、炉開きの茶事を楽しむ


 
 
 
 
 
 
 
 

草芽庵では11月8日(土)午前10時から4時間半にわたり、茶の湯のお正月とも言われる「口切、炉開きの茶事」を開きました。小池宗雅庵主は10月半ばに地下鉄駅ホームでの災難事故で右足首くるぶしを骨折しました。その治療中にも拘らず13名分の手製懐石料理を振舞い、松葉杖をつきながらの熱心な指導に生徒さんは感銘を受けた様子でした。

多くの生徒達にとって正式の茶事は初体験でしたが、定刻に、茶席に席入り、初座の挨拶、壺飾りと日頃のお稽古通りに進みました。床の間には表千家の重鎮、故久田宗也宗匠直筆による「清秋 竹露深」の色紙が掲げられ、氷柱状の花入れには枝ぶりの良い紅葉に可憐な菊の花が添えられました。
続いて「懐石料理」のお膳が運ばれてきました。銚子と杯、煮物、飯次と汁替え、焼き物、2回目の飯次と汁替え、強肴、亭主相伴、吸い物、八寸、千鳥の杯、湯と香の物と正式の茶事の手順が踏まれ、膳が引かれた後、お菓子(庵主手製の羊羹)が出されて中立ちとなり、居間のソファで一休みしました。

鐘の合図で御座の席入り、濃茶の宇治・上林春松本店詰めの「松風の昔」が振る舞われました。座布団代わりの毛皮の敷物が配られた後、お菓子と薄茶の同店詰め「綾の森」をいただき、退室となりました。時計の針は午後2時半を回っておりました。

ソファで果物(パイナップルとパパイアの盛り付け)をいただいた後、全員で後片付けをして参会しましたが、一部の生徒は草芽庵近く(West 57th Street)の喫茶店で茶事の余韻を楽しんだようです。

茶の湯の真髄は茶事にあると云われます。茶事の楽しみを知れば日頃のお稽古(茶事全体から見れば全て割り稽古)も苦にならなくなります。草芽庵では今後も茶事の実習を積極的に取り入れて参ります。


2014年7月2日(水)
小森綾子様ご家族を草芽庵にお迎えして


 
 
 
 
岐阜県同門会会員の小森綾子様ご家族が、ニューヨーク茶の湯教室をご覧になりたいという事で、草芽庵にお迎えしました。表千家同門会岐阜県支部は、私共と非常にゆかりのある強い絆が今も継続しています。

小森様ご一家はご子息の勤務地米国を訪問した折,ニューヨークの茶の湯に訪れたものです。小森様は岐阜市粟野西地区で茶の湯をご指導しており、ニューヨーク茶の湯教室に非常に興味をお持ちでした。

草芽庵茶室の様子、弟子たちの稽古風景などご覧になり、ご家族お揃いで弟子たちの点前を楽しんで頂きました。最後に小森様のお点前で更なる和気合いあいのひと時を過ごし、記念の写真を収めてニューヨーク滞在の思い出の1ページを作り、草芽庵を後にされました。

2014年6月25日(水)
TASTE ASIA〜Asian Food & Culture Festival〜


 
 
The Epoch Times (229 West 28th Street 7th Fl. New York, NY 10001) Ms. Wei Jane Chirさんの依頼で、Chinese Festival に初めて参加しました。過去6年間の経歴を持つChinese Epoch Times Companyが、今回初めて名称を変更して "TASTE ASIA" ~Asian Food & Culture Festival として出発することとなり、Japanese Culture では和食の懐石料理、そば料理 そして寿司料理の方々と共に、茶の湯が参加しました。

Times Square 42&43丁目に公開されたステージとその周辺は大勢の人々で賑わいその盛況ぶりに圧倒。そのような中で、スタッフの皆さんの手際よい動きに感動しました。

茶の湯は午後1時20分ステージ上で開始。風の災いがステージ上の茶道具のセットアップを困難にしましたが、スタッフ皆さんの創意工夫で、素晴らしいインスタント茶室が設営されました。茶の湯は初めてという若い男女ゲスト3名をお迎えしお茶を味わっていただきました。"お茶はおいしいです。もう一服いただきたい" とリクエストされましたが、時間の都合でお一人のみが再服を楽しまれました。周囲はテレビ局の方や観客のカメラマンに包まれ、限られた時間のデモンストレーションは無事終了しました。

その後のインタビューでは、日本の茶の湯はおもてなしの文化であり、基本的な考え方は、お客を招いて主客共に一椀のお茶を楽しむこと。そこにはお互いの気配りや思いやりがおもてなしの心を支えていることを説明。また、日本の茶の湯は、このお茶をめぐって高度な文化が育ち、その1つ、さまざまな芸術や精神文化を通して自分自身の心の教化(育成)を追求していくこと。同時に礼儀正しい作法・慣例や美しい態度を学ぶこと、つまり日本の伝統的な文化を学ぶ修得することで、独特の茶の湯文化が発達したことなどを説明いたしました。

2014年6月21日(土)
エド・パパントニオ邸の庭園で野点


 
 
 
 
草芽庵社中では、私たち弟子が計画立案した茶会として、6月21日(土)、"野点"を実施しました。世話人として、天気に恵まれ素晴らしい自然の中で、日頃の疲れを癒すよい時間を共有させていただくことが出来ましたことを嬉しく思います。有難うございました。

場所は社中の一人エド・パパントニオ邸の庭園に設営した野点は、茶室の風炉の形式をそのままアウトドアに移動したものであり、限られた場所と道具の使用であり師匠の思惑とは異なっていたようです。ここで野点茶会のポイントを教えていただきました。

一服の後、皆で持ち寄ったポトラック料理が所狭しと豪華に並び、それぞれのご家族の参加もあり、一際異色の顔ぶれでもありましたが、思いを語り楽しい一日を過ごしました。

最後に、世話人として色々至らない点もあったかと思いますが、温かくご協力いただきましたエドさんご夫妻並びに社中の皆様に心より感謝しております。 (大西 記)

2014年6月8日(日)
天理文化協会で茶の湯と茶音頭のプレゼンテーション


 
 
天理文化協会に於いて(43 A West 13th Street, New York. Bet. 5th & 6th Avenue). 茶の湯と茶音頭のプレゼンテーションを行いました。

今ニューヨークで輝いているお一人、Sachiyo Ito Dance Companyのご依頼により、昔から踊り注がれている"茶音頭"を、このたびは日本舞踊家伊藤サチヨ様自作自演の舞による公開の前座を、実際の茶の湯のおもてなしで表現しました。与えられたテーマ"間"とは 日本の芸能における美的概念であり、茶の湯の文化的そして伝統的な美的要素をタイミングよく織り込む精神的な"間"をごく自然の所作を通して茶を点てると捉えて指導しております。経験を積んだ弟子の一人に点前をしてもらいました。

茶の湯の基本的な考えは、お客を招いてお茶をもてなし、お客と亭主が互いに思いやりつつ一椀のお茶を共に楽しむことです。インスタント茶室に初心者の客を迎えながらも楽しんでいる様子が伺えました。


続いて行われた茶音頭の舞は実にすばらしいものでした。伊藤先生のあでやかな舞姿、わびさびの"間"の表現が見事に美しく表現され、観客は見入っておりました。

舞の後、観客にささやかなお茶をトライして頂きました。茶会のもてなしで最も大切なことは、茶室のお客はもちろんのこと、見学している観客への気配り、思いやりのある温かいお茶を点てることに思いを馳せました。

2014年5月11日(土)
ペンシルバニア州立大学茶研究機関への返礼茶会で謝意を示す


 
 
 
 
 

小池康夫夫妻は先に中国茶のイベントに公式招待を受けたペンシルバニア州立大学茶研究機関(Tea Institute at Penn State=TIPS)への返礼茶会を5月11日(土)午前11時から草芽庵で行いました。4月24日から4日間ペンシルバニア州立大学で行われたイベントで同夫妻は全日程にわたり招待され、TIPSから誠心誠意の扱いを受けて深く感銘しました。その謝意を示すため返礼の茶会に招待したものです。折からの卒業式が重なる事情の中、TIPSの新リーダーとなったライアンさん初め7名のTIPSメンバーがペンシルバニアからニューヨークの草芽庵にやって来ました。
TIPSでのこれまでの主な研修は中国茶に関するもので、日本の「茶の湯」のお稽古が始まってからの日はまだ浅く、日本式茶室での茶会に参加するのは初めてという学生ばかりでした。TIPS全体への謝礼なので、表千家流、他流のお稽古参加者の分け隔てなくお招きしました。席入りは草芽庵の生徒さん達が先導役(主客)と末客を務めました。
手と口を清めてからの畳の部屋への席入り、大徳寺瑞峯院、前田昌道住職筆の「一期一会」の掛軸と見事なドッグウッドの花が飾られた床の間、電気炉ではなく本格的な炭を使った風炉にかけられた鉄の釜に沸くお湯・・・等々、驚きと感動の連続だったようです。
茶席では薄茶に加え濃茶も振る舞いました。まだ濃茶の作法を稽古する段階にはありませんが、茶の湯の究極の席である濃茶の経験に意義があると考えられたからです。日頃テイステイング(何度も味わうこと)中心の中国茶で舌の肥えた学生たちも、上林園春松本店詰めの抹茶の味には高い評価を与えていました。
さらに、畳席での個別のお膳による手製の昼食には、座り方に苦労しながらも「おいしい、美味しい」の連続でした。4万5000人の学生で成り立つ同大学街には最近ようやく初の本料理店が開店したばかりということです。
学生の多くは「今回の茶会の経験は今後の茶の湯のお稽古の励みになる」との感想を述べていました。


2014年4月29日(火)
中国茶の達人、日本の茶の湯を楽しむ


 
 
 
 
 
台湾で著名な中国茶の茶人、池宗憲氏ら一行3人が4月29日夕、草芽庵を訪問、日本の茶の湯を堪能、中国茶道と日本茶道の交流を深めました。池氏はペンシルバニア州立大学茶研究機関(Tea Institute at Penn State)の外部諮問委員で、4月24日〜27日に同大学で開催された中国茶道行事の講師として講演、実演した後、帰路の途中、同じく同諮問委員の小池康夫宅のニューヨーク草芽庵に立ち寄ったものです。池氏は中国茶に関する著書が30冊余に及び、台湾では中国茶道の権威として知られていますが、同日ふるまった日本の抹茶について「とても美味しい」と絶賛、二服目を所望されました。同行のパリーナ・チャンさん、ステファニーさんも同様な反応でした。同日深夜JFK空港発の便で帰国するというタイトなスケジュールの中で「茶」に関する話題に尽きることはありませんでした。
日本には「日常茶飯事」「茶の間」などの言葉が示すように、茶はもともと毎日親しむ生活飲料ですが、その大部分は煎茶が占め、抹茶の比率は5%程度といわれています。最近抹茶はアイスクリームや食品の添加物にも多用され始めているので、茶の湯で飲まれる抹茶の比率はますます低下傾向にあるようです。しかし、茶の湯は日除けなど細心の工夫を凝らした最高品質の抹茶を使用し、さらに精神的に高められた文化に発展しております。
米国では中国茶及び各種フレーバーを混用した中国茶風のお茶の需要が高まっています。中国茶人との交流を通じて、中国から移入しながら日本独特の発展をしてきた日本の茶の湯文化の今後の展開を図るうえで何かヒントがありそうです。

2014年4月24日(木)〜27日(日)
ペンシルバニア州立大学から茶イベントに公式招待


 
 
 
 
 
草芽庵の小池康夫夫妻はペンシルバニア州立大学の茶研究機関(Tea Institute at Penn State=TIPS)が4月24日~27日に開催した中国茶道イベント、2014 Regional Tea Ceremony Exhibitionへ公式に招待され全ての行事に参加しました。講師として台湾から中国茶道の達人として著名な池宗憲氏ら三名が招かれ、4日間にわたり講演、実演しました。池宗憲氏、小池康夫は共にTIPSの外部諮問委員を務めています。
同茶研究機関(略称TIPS)設立者ジエーソン・コーエン氏に同行して台湾を訪問したこともあるほど、かねて中国茶に強い関心のある小池ですが、夫人と共に中国茶行事に招待されたのは初めて、茶の湯の表千家教授の夫人、宗雅にとってもその源流である中国茶道を実際に学ぶ絶好の機会に恵まれました。
中国茶は半発酵のウーロン(ワインのように古い年代ものを珍重)を簡潔な所作で小さな盃状の茶碗で香りとともに複数回味わうのが主眼です。無発酵の新鮮な抹茶を優雅な所作で精神性まで高めた茶の湯とは趣を異にします。
ただ、今回初めて米国で紹介された宋時代(10-13世紀)の中国茶道によると、同時代には粉状の緑茶を茶碗に入れ、左手でお湯を入れながら、右手で竹筅を使って茶を点てる方法があったとのこと、所作や道具にかなり違いがあるとはいえ、日本の茶の湯の源流を見る思いでした。緑茶を粉状にするのに使用した道具は、日本の江戸時代に漢方薬を作るのに用いた道具と酷似しており、茶が当初薬として重宝されていたことを連想させました。茶が中国から日本に伝来したきっかけの一つは宋代に中国に渡った禅僧によるとの歴史的事実とも照合します。しかし、中国ではその後緑茶が普及することはなく半発酵茶が広まりました。一方、日本ではむしろ新鮮度を重視する無発酵の緑茶が発展したのは風土の違いによるのでしょうか。興味深い歴史の流れを実感できたのは、今回のイベント招待参加の大きな成果の一つです。
また、4日間にわたり早朝から夜半まで連日熱心に茶について学ぶ学生の真摯な態度にも感銘を受けました。イベントの終了式の席上、池氏ら講師3人と小池にTIPSからの謝意として同州立大学のシンボル、「ライオン」の塑像が授与されました。


 
 
 
 
2014年3月22日(土)
利休忌に開祖を偲ぶ


草芽庵では3月28日(金)の表千家開祖、千利休の忌日に先立ち、同22日(土)に利休忌の記念行事を実施しました。毎年廻ってくる利休忌ですが、参会者の顔ぶれには変化が見られ、会の進め方にも創意工夫があります。
今年はいつもと異なる床飾りで、庵主、宗雅手作りの利休墨絵と賛を描いた色紙軸の前に、茶筅を使わずに点てたお茶とお花、さらに精進料理の御膳を供えました。床回りが素朴の中にも優しい華やかさに包まれました。
追善行事も茶カブキや廻り花でなく、「一二三の式」をしました。亭主の点前の上がり目(上達度)を見る式法で、「利休居士に日頃の精進している姿をお見せする好い機会です」との正客さんの挨拶が印象的でした。参会者全員が学ぶことの多い、しかも楽しい茶会となりました。
点心は参会者全員の持ち寄り料理の"ポットラック"パーティーで、大層盛り上がりました。


 
 
 
 
 
2014年1月19日(日) 
第11回草芽庵ゆかりの会初釜


「草芽庵ゆかりの会」の初釜が1月19日(日)午前11時から東京・文京区のももや「桃渓庵」で行われました。これはニューヨークの草芽庵で茶道を学ばれて帰国した方々が主体となって、同庵主の小池宗雅・表千家教授が里帰りした機会に実施している恒例の会で、今年で11回目を迎えました。好天に恵まれて明るい床の間には応祥筆の南天に小鳥の絵に第13代お家元・即中斎書の「福寿」のお目出度い軸が掲げられ、紅白の椿と大ぶりの結び柳が調和して新年の門出を祝うにふさわしい雰囲気となりました。今回は待望の赤ちゃん誕生のため出席できない会員が複数重なったとのこと、草芽庵に入門すると子宝に恵まれるという"伝説"が生まれつつあるようで、年明け早々目出度い話題で賑わいました。
幹事は当番制で今年は小暮和泉さんと濱野 彩さんが務め、小暮さんの炭点前に続いて御神酒に大徳寺縁高弁当、笹屋の菓子・蓬莱山に舌鼓を打った後、及台子を使って小暮さんが濃茶、濱野さんが薄茶を点てました。美味しいお茶に続いて小池教授心づくしのニューヨーク土産の福引がありましたが、3年連続して大当たりの人がいるかと思えば空くじばかりの人もおり悲喜こもごも、次回は福引にも一工夫必要かと小池庵主は頭を悩ませている様子でした。近くのカフェで二次会、懇談し、同夕刻に次の再会(2015年1月18日予定)を約して散会となりました。

会記
 
寄付掛物 短冊表具 雪底筆 官馬相踏
本席掛物 応祥筆 南天に小鳥の絵 即中斎賛 福寿
花入   青竹柳差
 花   結び柳 紅椿 白椿
香合   独楽 真葛作
釜    真形霰地紋
 炉縁  菊唐草蒔絵 哲山作
棚    青漆及台子 総飾
水指   染付菱馬  道光年製
 杓立、建水、蓋置  縁金襴手 陶楽作
茶入   瀬戸渋紙手肩衝 壽牛斎銘 瑞雲  芳右エ門作
 仕覆  伊予すだれ
茶碗   島台 楽入作
茶杓   聚光院虎洞銘 常盤   誠中斎作
棗    銀錆塗梅月蒔絵  華正作
茶碗   朝日焼 猶香斎作
 替   仁清写 梅松の絵 真葛作
 替   膳所焼 翔馬の絵
茶杓   長崎細工鼈甲 太玄銘 佳日
菓子   蓬莱山  笹谷製
御茶   祥雲の昔  柳桜園詰

<点心>

向付 平目甘海老巻 加減酢
大徳寺縁高弁当
 口取
  銀鱈 西京焼
  薇信田巻 鰊 ちぢみ法蓮草
  才巻海老 伊達巻
  天豆 金柑 白和え
  干柿天婦羅
  慈姑亀甲揚げ
 飯
  青大豆ご飯
  津田かぶ 辛子菜 沢庵
 椀 
  蟹しんじょう餅
   蟹 百合根 姫蕪 大根 人参 柚子


 
 
 
 
2013年11月16日(土)
喜寿祝い記念の茶会で終日賑わう


草芽庵では11月16日(土)午前10時から宗雅庵主の夫、小池康夫さんの喜寿を祝う記念茶会が開かれ、20人を超える参加者で賑わった。

この茶会の発起人は同庵の生徒達(発起人代表=山川るり子さん)で、パパアントニオさんの司会で進められ、真鍋信子さんが目出度い鯉を型取ったお菓子を用意するなど生徒達の自主的な運営で行われた。

参会者からお祝い品として最新式腕時計が康夫さんに送られ、康夫さんからは全参会者に輪島塗の杯が手渡された。この杯は輪島の坂下好春塗師に康夫さんが特に製作依頼したもの。今年世界遺産に登録され、かつ康夫さんの我孫子の自宅からも見られる富士山の絵に加え、富士山に因む康夫さん作の俳句が描かれている。

参会者からは喜寿の祝意とともに康夫さんのニューヨークでの茶道普及への貢献について相次いで賛辞が述べられ、康夫さんからは「喜寿を祝っていただきわが生涯最良の嬉しい日」との謝意の挨拶があった。

お祝い会は七事式のひとつ、数茶の式を楽しんで一旦締めくくられた後、近くのレストランに席を移してフルコースのイタリア料理に舌鼓をうち、さらに一部はカラオケボックスへ繰り出し、宴が終了したのはマンハッタンのネオンが輝く午後7時を回っていた。

2013年5月4日 ポットラック送別茶会




草芽庵では5月4日(土曜日)の午後、通常のお稽古に続いて、生徒さんたちがそれぞれ得意の一品料理を持ち寄るポットラック・パーティを開いた。これは近く韓国に転勤することになった生徒の萬本由紀恵さんの送別会として企画されたもので、各人の心のこもった手料理で一同みな楽しいひと時を過ごした。既にレストランでの送別会も済んでいたが、萬本さんは「各人それぞれの気持ちの入った料理はまた格別の味です。お茶を通じて友達ができて本当に良かった」と感激していた。

2013年3月30日(土) 日本語を学ぶ生徒さんと茶の湯を楽しむ社中の集い

 
 
 
 
3月30日、小池社中の生徒さんが勤め先の学校の教え子達を草芽庵に招き、社中の他の生徒さんと一緒に茶会を開きました。終日、老若男女、アメリカ人、日本人の隔てなく、茶の湯を楽しみ、まさに茶道の極意を自然に会得する絶好の機会となりました。




2013年3月23日(土) 利休忌

草芽庵社中では恒例にならって今年も「利休忌」を3月23日(土)挙行。新鋭メンバー7名により、誰もが一度は主役を演じることを目標とした利休忌の体験でした。今年は、「供茶」の亭主林義次、正客山川るり子、追善行事として「廻り花」の亭主萬本由紀恵、正客中嶋万寿夫の皆さんで利休の遺徳を偲ぶ大きな行事を学んだ。
供茶の亭主を一人で成し遂げた林さん曰く「緊張し手が震え、茶器の上に茶杓がスムーズに置けなかった、替え茶碗を持って立ち上がる足が痛かった。でも一人で供茶の全部を成し遂げた充実感を得てよい経験をさせていただきました。」と感想を皆さんに披露した。
廻り花では参加者の全員が茶花の生け方を今回学んだ。花いっぱいの床の間に魅了され、利休さんのみならず私共も満喫した。
最後に、手造りランチの質素にして華やかな旨さを作り上げたねぎらいの言葉を皆さんからいただき教師冥利に尽きる日であり、皆さんに感謝する1日でした。


 
 
 
 
 
 
2013年1月20日(日) 草芽庵ゆかりの会初釜

NY草芽庵で学んで日本へ帰国した人たちが一時帰国の宗雅先生を囲んで開く恒例の「ゆかり会」の初釜が今年も1月20日(日)、東京都文京区千石の桃渓庵で開かれた。ゆかりの会の茶会は帰国した方々の自主運営によるもので10年来続いており、一期一会を大切にする茶の湯の実践例として草芽庵主も毎年心待ちしている貴重な茶会です。今年は指導者に成長している川俣真由美さんの助言を得て都原千恵子さんのお点前、午前10時45分の席入りから午後3時のお開きまで厳粛な中にもなごやかな初春の充実した会合となりました。福引には担当のお二人が揃って当たるという神の心配りもあり、鬼の笑に遠慮することなく来年の再会を約する微笑ましい姿が処々みられました。

会記

寄付掛物 雪に福寿草の絵 洛木
本席 「老松」懐紙表具横幅 誠堂筆
歌絵地紋丸 美之助
炉縁 面青海波蒔絵黒 華正
紹鴎棚  
水指 膳所焼 稔梅
香合 溜塗宝尽蒔絵ぶりぶり 秀斎
茶入 瀬戸渋紙手肩衝 尋牛斎銘「瑞雲」 芳右衛門
仕覆 伊予すだれ  
嶋台 楽入  
茶杓 銘「友鶴」 聖光院虎洞 宋明削
折溜雪輪蒔絵 而妙斎書付 萬象作
茶碗 松に梅の絵 香斎
乾山写寒牡丹 秋峰
紅白梅絵 光琳写 阿山
茶杓 銘「萬才」高石之浦松を持って造る 大網
蓋置 黄交跡鱗透 香斎
而妙斎好 祥雲の昔 柳桜園

 
 
 
 
2013年1月16日(水)シドニー日本人学校(オーストラリア)訪問

「私、小池マサ子草芽庵主は 今年1月6日~18日までの約二週間、金婚旅行の一環として若き日の赴任地 オーストラリアのシドニー市を夫(日本経済新聞シドニー特派員)と共に訪ねました。当時1973−74年、オーストラリアのシドニー市にある日本人学校にクラス担任及び音楽教師として東京都教員在籍のまま派遣されたものです。
今年1月16日 約40年ぶりに訪問しました。角谷一夫校長先生がご親切に案内してくださいました。校舎が立派に一新され、茶室まであるのにびっくり、校庭も競技場のように整備されていました。在任中に皇太子(現在の天皇)ご夫妻が訪問された際、「水上の音楽(ヘンデル作曲)」の生徒合奏を指揮してお迎えしたのを懐かしく思い出しました。」


 
 
 
 
2012年12月15日(月)お稽古納め会

草芽庵では12月15日(土)、恒例の年末お稽古納め会を開いた。この日は生徒さんたちが一年間教えを乞うた師匠に感謝する日でもある。先ずお稽古に遊び心を取り入れた「七事式」の中からお茶銘を当てる「茶カブキ」を行い、当てた者の歓声、外れた者の神妙な顔など悲喜こもごものひとときを過ごした。昼食の料理は予め皆で分担して持ち寄ったもので、それぞれの得意料理が山と並んだ。会が進むにしたがって余興の歌も数々とび出し、茶の湯を学ぶ仲間同士の楽しい会となった。





2012年10月27日(土)口切、炉開の茶事

5月に作られた茶は壺に詰められて熟成、11月なって壺の口を切り、ここで初めて抹茶にして点てることになります。日本では丁度この頃、風炉から炉に切り替えるので、その茶事は新茶を賞味する絶好の機会となります。「茶の正月」と云われる所以です。NY草芽庵ではやや先取りする形で10月27日(土)にアメリカの友人を客として招き、ともども炉開の茶事のお稽古をしました。草芽庵では、日頃のお点前のお稽古はこうした茶事の準備とし位置づけており、単調なお点前だけでなく、茶事のお稽古を取り入れたカリキュラムを組んでおります。友人を招くことで、おもてなしの心得も実践できます。


 
 
 
 
2012年10月6日(土)
茶事のお稽古を楽しむ

茶事とは懐石料理を含む本格的な茶会のこと。日頃のお点前のお稽古の成果はこの茶事で総合的に発揮されることになります。したがって予め茶事がどのようなものであるかを知っておくことは日頃のお稽古の位置付けが分かるので、大変有意義です。草芽庵の10月のお稽古のテーマはこの茶事を実地に学ぶことです。

10月6日以降、同27日に予定している口切の茶事のリハーサルを兼ねて茶事の基本的な作業の進め方、所作のあり方などについて総合的なお稽古をしています。お茶を入れるお点前だけのお稽古では緊張気味の生徒さんたちですが、茶事のお稽古を通してお茶を楽しむ姿勢を習得して充実した一日となりました。これからのお稽古の励みになるに違いありません。





2012年9月19日(水) ロングアイランドで秋の茶会

草芽庵の小池宗雅表千家教授は故人の霊にお茶を奉げる儀式を取り入れた秋の茶会を実施した。これはロングアイランド文化センターの茶道教室で開いたもので、床の間にある先人の霊に客が献茶した。日常生活の中でお命日に当たる行事は各家庭で行われているが、茶の湯ならではの営みは初めてという参加者が多かった。

日本人はもとより地元のアメリカ人を含む参加者計16人は、それぞれに亡き人を偲ぶ追善に自己の想いを重ねつつ、一服のお茶を味わった。また、ワークショップでは各自、茶を点てる難しさ、面白さを体験し、その後のランチタイムでは会場のSHIRO(城)レストランは賑やかな話題に包まれた。



2012年7月14日(土) 前期稽古終了 於 草芽庵

7月14日(土)、草芽庵の前期稽古終了。まとめの内容は、「供茶」、「茶カブキ」そして通常の各自の課目。折しも今度は、かつての同胞吉澤信政さんの三回忌に当たる。茶人らしい供養でささやかに彼を偲びたいと、まず「供茶」を献じ、追善行事として「茶カブキ」をし、参加者全員で供養と共に各自の成長・決意を捧げあった。


2012年3月24日(土) 利休忌 於 草芽庵

3月の稽古は利休忌。その締めくくりとしてお弟子さんたちが開催。表千家初代家元利休居士の遺徳を偲んでお茶湯をお供え。追善行事に今年は「茶カブキ」を実施。皆初めての経験ながら三種五服の濃茶を飲んで、茶銘を当てることにすこぶる興味を持って参加。全正解者なし、一つ正解者2人。今後の修練に期待したい。


 
 
 
 
2012年1月22日(日) 草芽庵ゆかりの会初釜

今年9回目を迎えた初釜は男性グループの当番により、東京文京区の桃渓庵で開催した。限定15名の参加者はそれぞれの稽古場で修練している今、お互いの力量を忌憚なく分かち合う和やかな「茶事」に加え、福引や歓談では情報交換など久しぶりの再会を楽しんだ。初めて見る男性点前の姿、初参加の姿もあり盛況に終始した。
最後に次回2013年の担当者を決め初釜は終会。

草芽庵ゆかり会 初釜 会記
掛軸 嘉辰扇面 而妙斎
釜  真形歌絵地紋 美之助
   炉縁 面壺々青海波 筆正
棚  高麗卓 三木三
水指 染付黄釉竜紋 祥堂

初炭
香合 独楽 真葛香斎

濃茶
茶入 瀬戸渋紙手
   寿牛斉銘慶雲
   芳右エ門
仕服 丸龍紋緞子
茶碗 嶋台 楽入
茶杓 銘宝船 大亀 誠中斎
蓋置 突羽根 彦兵衛

薄茶
棗  寿老蒔絵内朱金 而妙斎書付 鳳斎
茶碗 黒 銘松鶴 雪底
替  安南写辰絵 丹山
茶杓 銘束帯 逢源斎写 龍源院喝堂


2011年10月〜11月

草芽庵茶の湯ではお弟子さんそれぞれの習熟度に合わせて自主的に発表し、主客互いに協力しながら楽しむ機会(茶会)を持っています。今回は4名の方を紹介します。

 10月の茶会は、萬本由紀恵さんと芦村和男さんです。深まり行く秋を心から味う「名残りの席」です。風炉の中置きの構えでもてなす亭主役は2年目の萬本由紀恵さん、正客に芦村和夫さんが担当し、それぞれの友人・知人やイエール大学の学生20名とともに、10月30日(土)草芽庵で開いた。
平常心で所作する難しさを痛感したとか、抹茶の点て方、正しい頂き方を紹介したが、自分が習得したように伝える事が出来た喜びや言葉より動作を見せて伝えることが容易である事を知ったことなど、自分の確かな習得が必要であることに気づいたとのです。また参加したイエール大学の生徒さんたちは、日本のお菓子が美味しかったとか自分の点てたお茶を飲みながら正しい頂き方を学んだことが楽しかったとのことです。

 11月の茶会は、和久井薫さんと中島万寿夫さんが担当。炉を開き、新茶を納めた茶壷の封を切る「茶の湯のお正月」と言われる月です。今回は茶事のさわりとして、茶壷飾りを中島万寿夫さん、薄茶点前を和久井薫さんがが担当しそれぞれの友人・知人やペンシルバニア大学のアジア茶の湯同好会の10名が参加し、11月12日(土)行なわれた。
初めて経験する初座の挨拶、茶壷の扱い方、薄茶点前の設えなど茶の湯の奥深さを知り、稽古に励む必要を痛感したと言う。また、アジア茶の湯同好会の学生さんはチャイニーズ茶の湯、コーリヤン茶の湯、裏千家茶の湯、そして草芽庵の表千家流茶の湯を体験し、さなざまな国の茶の湯を比較楽しんでいた。いつの日にかチャイニーズ茶の湯をご紹介しますとの言葉に驚いたが、学生さんの頼もしい姿を垣間見るひと時でした。



2011年4月27日
ニューヨーク育英学園で茶会開く


昨夜の春雨にめげず育英学園の3本の桜は満開に咲き誇る快晴に恵まれた。花薫る下で野点風にしつらえた茶庭は、先ず4歳児に、続いて5歳児に、最後にご父兄と先生方に薄茶を振舞い春のひと時を楽しんだ。茶の湯の楽しさを子供の頃から親しむ姿に、“健康な身体に健全な心が宿る”願いを込めた1日であった。



2011年4月7日
東日本大震災犠牲者に供茶、供花の茶会開く


表千家教授・小池宗雅主催の茶会が4月7日午前11時半からマンハッタン57丁目の草芽庵で開かれました。この茶会は庵主の宗雅教授が日頃お世話いただいている方々をお招きして茶の湯に親しむささやかな会ですが、今回は折からの東日本大震災の犠牲者に抹茶と花々を供え、茶人らしいやり方で犠牲者の霊を供養する会となりました。
桜花薫る季節らしく野点風にしつらえた茶室で、先ず儀式に則り厳かに供茶、続いて参席者に旅箪笥を使って薄茶を振る舞い、亭主も自服した後、参席者全員が順次、床の間に用意された数個の花かごに夫々の思いを込めて花々をたむけ、同時に震災からの復興を祈念しました。
この日はニューヨーク訪問中のデヴィ・スカルノ夫人が友人と共に特別参加され、震災の状況と自らの支援活動について詳しくお話されました。
参席者:デヴィ・スカルノ夫人、アニタ・ポセイ様、リンゼイ・芥川笑子様、石田圭子様、飯村昭子様、青木恵子様、三浦良一様。
小池社中(敬称略):真鍋信子、北澤恵子、林壽次、小池宗雅、小池康夫。


2011年2月12日
ニューヨーク草芽庵
「初釜 兼 節分会」開催


ニューヨーク草芽庵の初釜兼節分会が2月12日、草芽庵で催された。2月は一年中でいちばん寒い時季ですが、節分が過ぎると暦の上ではもう春を迎えます。草芽庵では“福は内、鬼も内”の現代風の豆まきに因んで道具の取り合わせ、懐石風の趣向で、身内のお弟子さん達と二刻の茶事を楽しんだ。正客に若手筆頭エドモンドさんを始め、新旧の皆さんが座狭しとばかりに初体験の道具扱いや役割を和気藹々の中、今年の決意を語り合った。
主な会記
掛物  紫野昌道老師筆「春入千林処々鶯」 
釜   阿弥陀形
棚   紹鴎棚
水指  青磁稔梅
香合  堆朱 牡丹
茶杓  銘「初笑」前大徳寺積應師 浸竹 影林宗篤作
茶碗  嶋台重ね 楽入
棗   高台寺蒔絵  利重作

お点前を見守る参加者たち 
 
福引き、大当たり! 
参加者全員で記念撮影 
2011年1月23日
「草芽庵ゆかりの会」初釜開催


「草芽庵ゆかりの会」の初釜が1月23日、東京・文京区の桃渓庵で催された。これはかってニューヨーク草芽庵で茶の湯を学んで日本に帰国された生徒さん達が、正月休みで一時帰国中の小池宗雅先生を囲んで開く恒例の茶会で、各年に当番を決めて自主的に運営されている。正客には宗雅先生の師匠である長谷川宗玉先生が招かれ、紹鴎棚を使った厳粛な雰囲気のうちにも老若合わせて和気藹々の楽しい茶会となった。
主な会記は次の通り。
掛物  達磨大師偈「一華開五葉」
釜   真形歌絵地紋
棚   紹鴎棚
水指  膳所焼 稔梅
香合  ぶりぶり
茶入  神奈川焼瀬戸釉ろくろ目肩衝
仕覆  松喰鶴
茶杓  銘「玉兎」 尋牛斎 龍源院竹似
茶碗  嶋台 楽入
棗   老松蒔絵 而妙斎書付
茶杓  銘「宝舟」 大亀宗雄老師
茶碗  即中斎 雪兎絵賛春共箱
蓋置  黄交跡 鱗透
抹茶  雲鶴 青松園
菓子  蓬莱山 笹屋








 
2010年12月11日
草芽庵で納会兼支部特別功労者章受章記念茶会


草芽庵は12月11日、2010年の仕事納め会と、お家元の千宗左・同門会名誉会長および左海祥二郎・同門会理事長連名による小池マサ子教授への「支部特別功労者章」受章記念を兼ねた茶会を開いた。この日は西宮幸子在ニューヨーク総領事・大使夫人、角茂樹国連日本政府代表部大使ご夫妻、川村泰久在ニューヨーク総領事館広報センター長ご夫妻、岡本徹ニューヨーク育英学園長ご夫妻ら招待者を交え、社中生徒が一堂に会した。同門会米国東部支部発会式など多忙だった一連の行事を振り返り、宗雅先生の受章を祝うと共にお稽古最後の日を楽しんだ。
冒頭、今夏急死した草芽庵社中の中堅故吉澤信政さん(前よみタイム発行人兼編集長)の霊に黙祷をささげた。午前11時席入り、常日頃の心構えの大切さを説いた禅語「時々勤払拭」の軸の下、目出度い席に似合う紹鴎棚を使って、宗雅先生自ら濃茶を点て、続いて薄茶は小池康夫氏が点てた。来賓の西宮大使夫人や角大使らは「マンハッタンの中心なのに静かな茶室で心が休まる」と感想を述べていた。
茶の湯の後の宴会はお酒に和食風バイキングで、この日は終日、生徒たちも1年間の厳しいお稽古を忘れて“ニューヨークの日本”を満喫した。これも日本の伝統文化を学ぶ利点といえよう。


2010年6月18日
小池マサ子教授が支部特別功労者章を受章 


 小池マサ子教授は6月18日、ニューヨーク市のウォルドルフ・アストリア・ホテルで行われた表千家同門会米国東部支部発会式の席上、「支部特別功労者」として表彰され、記念品の記章を贈られました。この章は通常3期9年間の支部役員を経験しかつ特別に功績のあった人が対象で、支部発足の当初に授与されるのは異例と言えますが、小池教授の場合、支部設立を起案し、その後10年近くに及ぶ設立運動の功績が章に相当すると特に認められたとのことです。
 お家元の千宗左・同門会名誉会長および左海祥二郎・同門会理事長連名による表彰状と記章を、お家元の名代として来米した千宗員若宗匠から壇上で直々に授与されました。
 小池マサ子教授はかねて本部講師による講習会に出席するため、時差が3時間、空路6時間かかるロサンゼルスへ出掛ける度に、ニューヨークに支部の必要性を痛感していました。想いがつのって2002年7月、京都のお家元あてにニューヨーク地域に支部を設立して欲しい旨、嘆願書をお送りしました。さらに2度にわたり夫の小池康夫ともども資料を携えて京都の本部を訪れて要望を重ねました。
 地域レベルでの活動に広げるため、2004年5月、ニューヨークの有志10余名を引率して本部を訪問、その席上、本部回答書を手渡されました。回答書には本部講師による研修会を米国東部で初めて開催すること、併せて小池マサ子を本部への連絡窓口に指名する旨明記されておりました。これを支部設立への助走とみた小池教授は以後全身全霊を以って支部設立を実現すべくさらに一段と尽力する決意を固めました。
小池教授がまとめ役となり、本部の暖かいご支援のもとに研修会と地元有力者を交えた懇談会は2005年から毎年1回継続的に開催、ついに2008年10月、ニューヨークで開催した第4回の席上、「2010年6月に米国東部支部設立の本部方針」が発表されました。小池教授はほっと胸をなでおろし、これを機に連絡窓口を後身に譲りました。
 受章の挨拶で小池教授は「この章は私個人の力によるものではなく関係者皆様の協力の賜物であり、なかでも献身的に尽くしてくれた夫と一緒にいただいたものと思っております」と述べました。

20日の記念茶会のうち、ニューヨーク・アスレチッククラブの東部支部席はニューヨーク・メトロポリタン地区が担当し、草芽庵社中から多数参加しました。
茶会東部支部席



2010年4月24日
桜祭りで茶の湯満喫
ストーニーブルックで


 毎年、ストーニーブルック大学内チャーリー・ワングセンターで開催されている「ロングアイランド桜祭り」が4月24日(土)に行われました。
 この催しはストーニーブルックのジャパンセンターなどが中心になって行われているもので流手太鼓、表千家流草芽庵の茶の湯、草月流生け花、、沖縄舞踊、一藤会の日舞、さらに日本和装の着付け教室、剣道、尺八の演奏、書道、折り紙など日本文化を紹介する数々のパフォーマンスやワークショップが披露されました。
 メインイベントのひとつとして表千家草芽庵(小池宗雅庵主)による茶の湯のデモンストレーションが午後1時15分からセンター内で開かれた。まず、「表千家の茶の湯歳時記」のDVDを鑑賞したあと、薄茶を点て、参加者にふるまった。約60人が参加したが、初めて茶の湯を経験する人が多く「心が落ち着く」と堪能していました。


2010年2月6日 
「さざれ石」のように力を合せる決意
表千家流草芽庵で初釜楽しむ


  表千家流草芽庵(小池宗雅庵主)の初釜が、庵主の帰米を待って2月6日午前11時からニューヨーク市内の草芽庵で行われた=写真=。当日は郊外が大雪のため一部参加見合わせを余儀なくされた方もあったが、マンハッタンは寒さ厳しくも快晴、初釜にふさわしい淑気がただよう中で進められた。
 茶室正面の床の間には表千家家元而妙斎宗匠筆讃「招福」・猶々斎若宗匠筆「ねずみノ画」の合作という珍しい軸が掛けられた。この軸は、庵主が08年の家元不審菴初釜の折に福引きで当てた貴重な記念品。竹花入れに結び柳、結界として青竹三本結び等伝統の設えの中で、新年の期待と決意をこめて長板の諸飾りによる続き薄茶が振舞われた。
 今年は、前茶として点心料理をいただいたあと庵主のお点前があり、濃茶、薄茶は而妙斎宗匠御好み一保堂の新春用特製
「若松の昔」、「縁の白」を楽しみ、菓子器として縁高が用いられたのも今年の特徴。
 また、今年は表千家同門会米国東部支部発足の年だけに、茶入れとして使われた「さざれ石」の銘が持つ意味『小石が集まって大岩となる』を実地に活かし、「みんな力を合わせて頑張りましょう」とお互いに声をかけ合っていた。


2010年1月17日 
「草芽庵ゆかりの会」初釜


 恒例の「草芽庵ゆかりの会」の初釜が1月17日、東京都文京区の桃渓庵で開催された。これはNY草芽庵で学んで帰国した方々が、正月休みで一時帰国中の宗雅先生を囲む茶会。床の間には表千家お家元、而妙斎宗匠の「招福」の書と若宗匠の画賛の合作という貴重な軸が掛けられ、厳かな雰囲気の中にも参会者は久しぶりの再会に茶事を堪能した。今年は宗雅先生の恩師、長谷川宗玉先生も知人を伴って元気な姿をお見えになり、茶の湯がもたらす人の輪に広がりを感じさせる有意義な会となった。

2009年12月12日
お楽しみ茶会

 毎年末恒例のお楽しみ茶会が12月12日草芽庵で行われました。今年最後の正午の茶事に、13人が参加しました。多くの参加者は「お茶会初体験」でしたが、小池宗雅先生の指導の下、和気あいあいのひとときを過しました。掛軸は「時々勤払拭」(じじ・つとめて・ふっしき・せよ」で、時々(毎日毎日)を、その時その時をおろそかにしないということだそうです。長板をつかった炉の薄茶で、初心者たちも神妙な面もちで茶の湯の世界に堪能していました。一服の茶をいただいたあとは、小池先生手作りの茶懐石を堪能しました。生徒たちは、初体験に戸惑いながらも「心がいやされる」「予想していた以上に大変」などと感想を述べていました。茶事の後は、先生から各人にクリスマスプレゼント。中身が違うため、番号札を引いての抽選。その場で包装紙をほどき、お互い見せ合うなど思わぬプレゼントにはしゃいでいました。


茶事を指導を見守る小池庵主 
2009年10月24日
名残りの茶事 
秋の風情楽しむ


 秋たけなわの10月24日、草芽庵では「名残りの茶事」が行なわれた。名残りの茶事は年間予定表にある通り、昨年11月に口切られた新茶の残り少なくなって名残りを惜しむ意味で名付けられた茶事で、参席者は味わいの深まった茶をいただくと共に、実りの秋の風情をふんだんに取り込んだ懐石料理を楽しんだ。

2009年9月12日
天然忌で如心斎を偲ぶ
草芽庵で


 表千家七代家元「如心斎天然宗左」を偲ぶ「天然忌」がマンハッタンの草芽庵で催された。お稽古の一環として行われたもので、先人の遺徳をたたえる掛軸を前に天目茶碗の供茶を奉げたあと、参加した全員が薄茶をいただいた。今年はたまたまニューヨーク出張中の杉山幹夫・同門会岐阜県支部長(岐阜新聞社会長)も同席された。
 さらに、席を改めて「花寄せ」が行われた。郊外に住む門弟が持ち寄った草花や小池宗雅庵主が用意した花が参加者の手で次から次へ数々の花入れに生けられ、茶室はさながら秋の花野と化した。花々に囲まれて手料理の食事に会話も弾み、表千家中興の祖といわれる如心斎を身近に感じる一日となった。

2009年6月6日
アメリカ人が濃茶を堪能


 草芽庵社中は6月6日、ニューヨーク州ノースサーレムのハモンド・ミュージアムで行われた三千家流(表、裏、武者小路)有志による合同茶会で、濃茶席を担当した。他流は薄茶と野点。濃茶は最もフォーマルな茶席で一碗の濃茶を3〜5人の客が回し呑みするうえ、道具の拝見もあるので、アメリカ人に好まれるかどうか懸念されたが、実際にはきわめて人気が高く、立見席で会場がいっぱいになるほどの盛況だった。正午、午後1時、同2時の三席が設けられ、多数のアメリカ人参加者が濃茶を堪能した。

お点前を見守る参加者たち 
テントの外にも多くの人が 
西宮大使(左端)も参加 
西宮大使夫妻を囲んで記念撮影 
2009年5月31日
ジャパンデー@セントラルパーク
初参加の茶の湯が大人気に


 今年で3回目を迎えたジャパンデーが快晴の中、5月31日セントラルパーク内イーストメドウで開催され、和太鼓や空手、コーラス、囲碁将棋、折り紙、書道などに加え、今年から茶道の表千家流「草芽庵」が初めて参加した。セントラルパーク内での茶の湯は史上初の快挙。
 茶の湯のデモンストレーションが行われたテントは 小池宗雅先生をはじめ社中の生徒ら10人のほか、主催者側が募集した32人のボランティアの人たちによって午前8時から午後5時まで整然と運営され、大勢の来客で大盛況に終始した。
 テントの中には、日傘が立てられ、立礼机(椅子)を置き、つい立てに「千里同風」の短冊の色紙とお花を飾り、野点風ながら茶室の雰囲気も十分あるユニークな設定だった。
茶の湯のデモンストレーションは計5回にわたって行われ、各回ごと椅子席35人に対して抹茶とお菓子が振舞われたが、毎回大勢の人が整理券をもらうのに列を作り、テントの外も立ち見の人たちで埋まるほどの盛況だった。
 最終回のデモンストレーションでは新任のニューヨーク総領事の西宮伸一大使ご夫妻や川俣喜昭ジャパンデー実行委員長夫人も茶の湯を楽しまれた。
 セントラルパークのレギュレーションの関係で、規定の人数以外は入れなく、また前列の5人をのぞき、紙カップでのお茶のサーブとなったが惜しまれた。
ハプニングもあった。たくさんのお湯を使うので午前10時ごろ湯沸し用発電機がガス欠で止まってしまったのだ。しかし、ボランテイア素早い対応で無事切り抜けることが出来た。感謝、感謝。
 小池先生は、色紙の「千里同風」を人種を超え、世界の平和を意味する禅語であることを説明、茶道が単なる喫茶ではなく、精神面でも深い意味があることを強調していた。初めて茶の湯に触れた人も多く「とて も楽しかった。こうした機会をもっと作って欲しい」などと話していた。

2009年4月25日
桜祭りで茶の湯満喫
ストーニーブルックで


 毎年、ストーニーブルック大学内チャーリー・ワングセンターで開催されている「ロングアイランド桜祭り」が4月25日、晴天の中行われた。
 この催しはストーニーブルックのジャパンセンターなどが中心になって行われているもので、空手、剣道、太鼓、琴、笛、尺八の演奏、日本舞踊、書道、折り紙、さらに着物着付けなど日本文化を紹介する数々のパフォーマンスやワークショップが披露された。
 メインイベントのひとつとして表千家流草芽庵(小池宗雅庵主)による茶の湯のデモンストレーションが午後1時15分からセンター内のオーディトリアムで開かれた。まず、「表千家の茶の湯歳時記」のDVDを鑑賞したあと、薄茶を点て、参加者にふるまった。約60人が参加したが、初めて茶の湯を経験する人が多く「心が落ち着く」と堪能していた。

2009年3月28日
「利休忌」で茶祖をしのぶ
補習校の生徒も見学で参加


 茶の湯の大祖、千利休の命日を偲んで毎年行われる「利休忌」が3月28日、ニューヨーク・マンハッタンの表千家流草芽庵(小池宗雅庵主)で行われた。
 わび茶を大成した利休は1591年の旧暦2月28日、70年の生涯を閉じたが、以来、今日までその心を受け継ぎ、千家一門では新暦に合わせてその遺徳を偲ぶ大きな行事となっている。
 今年の「利休忌」には小池社中の生徒や1日見学で訪れたロングアイランド補習校の生徒ら15人が集まった。午前11時すぎから、床の間に利休の辞世の句「堤る我得具足の一太刀 今此時ぞ 天に抛」(ひっさぐる わがえぐそくのひとったち  いまこのときぞてんになげうつ)の掛軸を掛け、天目茶碗で茶湯(ちゃとう)をして、利休に茶を供え、一同で薄茶をいただきながら故人を偲んだ。このあと、手作りの料理をいただき和気あいあいの茶会となった。

2009年1月31日
茶の湯で新春の風情楽しむ
草芽庵で初釜開く


 表千家流草芽庵(小池宗雅庵主)の初釜が、1月31日午前11時からニューヨーク市内の草芽庵で16人の参加者が集まり行われた。茶の湯にとって初釜は新年の稽古始行事で、久しぶりに顔を合わせた参加者は、年末年始の過し方などを話題に親交を温めていた。
 茶室正面の床の間には大徳寺瑞峯院・紫野昌道住職筆の「春入千林処々鶯」(はるせんりんにいりて、しょしょうぐいす=林のいたるところに春が訪れ、鶯が鳴いているの意)の軸が掛けられ、流麗な結柳(むすびやなぎ)と一輪の曙椿が伝統の設えのなか、新春の期待と決意を告げていた。
 最初に薄茶を楽しんだあと、庵主が森本丹山作の茶入れ、銘「さざれ石」や、利休好みの茶杓、銘「千代の寿」、野々村仁清写しの皆具に庵主のひと捻りを加えた、銘「伊豆の春」などの道具を組合わせて濃茶をふるまった。このあと、手作りのおふくろの味、点心料理を堪能し、最後に福引会が行われ、全員に庵主からのプレゼントがあった。
 外は寒風が吹いていたが、庵主の温かなもてなしに一同、新春の風情を満喫し「来年6月の支部設立に向けて、小石が集まって大岩となる『さざれ石』のように、みんな力を合わせて頑張りましょう」とお互い声をかけ合っていた。

2008年7月19日「正午の茶事」
シェフ手作りの茶懐石に大満足

 ニューヨーク・マンハッタンの表千家流草芽庵(小池宗雅庵主)では、7月19日「正午の茶事」を行いました。今回は、レストラン「どんぐり」シェフ、加川仁さんの茶懐石を楽しもうと企画されました。加川さんは、懐石料理の店レストラン「会」で長い間、シェフをしており、ザガットでも人気ナンバー10に必ず入ってくる「どんぐり」をまかされています。以前から「お茶の懐石に興味がある」とおっしゃってまして、一度、小池宗雅先生の茶室を訪れ、打ち合わせを致しました。
 店で出す懐石料理と茶懐石は、いくぶん違いますが、小池先生から話を聞いて「是非、やらせてください」と実現しました。
 当日は小池社中の生徒ら10人が参加しました。真夏の日射しが時折、茶室に差し込む中、午前11時から初炭(しょずみ)、この後、懐石、中立ちのあと濃茶、薄茶と続きました。
 懐石は、加川シェフが「何日間もメニューを考えた」というだけあって普段では口にできない物が見受けられます。加川さんも「レストランで料理を出す時とは別な意味の緊張感がありました」といっていましたが、参加者は口々に「おいしい。季節感もあってすばらしい茶懐石料理です」と絶賛していました。

懐石料理メニュー
汁 赤味噌仕立て(京桜味噌と八丁味噌を混ぜたもの)焼きナス、笹がきごぼう、粉サンショウ
向付 キンメダイの細造り昆布締め(前の日から締めている)チャイブ添え
煮物椀 鰻豆腐すまし仕立て じゅんさい、蒸しウニ、きざみ茗荷
焼き物 夏鴨の塩焼き(塩は伊豆大島の自然海塩)
強肴(しいざかな)キュウリと椎茸の胡麻和え(干し椎茸を一日かけもどして、汁にかつおを入れて出汁をとる)
吸い物 昆布だしすまし(きざみ茗荷)
八寸 海老の黄身ずし、キュウリ雷干し
湯・香の物


 さて、終わったあとの感想ですが、皆さん大変満足でしたが、やはり茶懐石は主役ではなく、濃茶をおいしく頂くための引き立て役なのです。お店でいただきのなら、最高の懐石料理ですが、濃茶の前ですから、一般的に味が濃く、量も多かった、というのが、偽らざる感想です。
 加川さんも、皆さんの感想文を読んで「なるほど。お茶ってなかなか奥が深いんですね。大変勉強になりました。また、挑戦したい」と話していました。


2008年5月3日
ロングアイランド桜祭り

 毎年、桜の花が咲くころ開かれている「ロングアイランド桜祭り」が5月3日、ストーニーブルック大学内チャーリー・ワングセンターで開催されました。
 この催しはストーニーブルックのジャパンセンターなどが中心になって行われているもので、毎年、空手、剣道、太鼓、琴、笛、尺八の演奏、日本舞踊、書道、折り紙など日本文化を紹介する数々のパフォーマンスやワークショップが披露されています。
 今年のメーンイベントとして表千家流草芽庵(小池宗雅庵主)による茶の湯のデモンストレーションがセンター内のオーディトリアムで開かれました。8枚の畳をステージに敷き、風呂釜を掛け、長板を使った薄茶点前を行いました。オーディトリアムには、約40人が集まり茶の湯を堪能しました。初めて体験する人も多く「心が落ち着く」と気に入った様子でした。


2008年3月29日
利休忌で茶祖を偲ぶ

 茶の湯の大祖、千利休の命日を偲んで毎年行われる「利休忌」が3月29日、ニューヨーク・マンハッタンの表千家流草芽庵(小池宗雅庵主)で行われた。
 わび茶を大成した利休は1591年の旧暦2月28日、70年の生涯を閉じたが、以来、今日までその心を受け継ぎ、千家一門では新暦に合わせてその遺徳を偲ぶ大きな行事となっている。
 午前11時すぎから、利休ゆかりの掛軸の前に、天目茶碗で供茶を奉げたあと、全員が茶をいただきながら故人を偲んだ。
 このあと、追善行事の「廻り花」や「茶カブキ」で充実した一日を過ごした。


2008年2月2日
表千家で初釜
「新年」の親交温める

 表千家流草芽庵(小池宗雅庵主)の初釜が、2日午前11時から市内の草芽庵で行われた。まず庵主から、今年参席した京都・表千家本部(不審菴)の初釜について報告があり、久しぶりに顔を合わせた参加者は、年末年始をどのように過したかなど親交を温めていた。折から節分と重なっていたため、掛軸には高僧による絵入りの書「福は内、富久は内」(幸せも、富みを来ますようにの願いを込めて)が飾られた。
 手作りの料理に舌鼓をうったあと、庵主のお点前による濃茶、薄茶を楽しんだ。また、今年の本部主催米国東部地区研修会等一連の行事が10月17日から19日にかけて行われるとの報告があった。


2007年12月8日
お楽しみ茶会

 毎年末恒例のお楽しみ茶会が12月8日草芽庵で行われました。正午の茶事ということで、13人が参加、小池宗雅先生が作られた茶懐石を堪能しました。なかなか茶事の機会がないだけに、亭主、正客、半東など役割担当者は、あくせくしながらも、茶事の流れを先生から教えてもらいながら、和気あいあいに行われました。今回は「お茶初体験」の人も数人いましたが、「心がいやされる」「予想していた以上に大変」などと感想を述べていました。茶事の後は、先生から各人にクリスマスプレゼント。中身が違うため、番号札を引いての抽選。その場で包装紙をほどき、お互い見せ合うなど思わぬプレゼントにはしゃいでいました。


2007年9月8日 土曜日 天然忌
表千家中興の祖、七代家元「如心斎天然宗左」の偉業をたたえる「天然忌」が初秋の気配が漂うマンハッタンの茶室で執り行われた。先ず庵主、小池宗雅が先人の遺徳を偲ぶ掛軸を前に天目茶碗の供茶を奉げたあと、参加した門弟達全員が宗雅の点前による茶をいただいた。さらに、席を改めて「花寄せ」を催した。庵主が用意した花のほか、郊外に住む門弟達が持ち寄った草花が、参加者の手で次から次へ、数々の花入れに生けられ、茶室はさながら秋の花野のような香りと華やいだ雰囲気につつまれた。如心斎は七事式の制定など茶道の発展に大きく貢献したが、花寄せが最高潮になるにつれ、最も難しいとされる七事式に「花月」の名を付けた先代の心の内に触れた思いが沸いてきて、意義深い一日となった。

2007年4月28日 女性グループの茶事
自然食料理で茶事を、と社中でもある料理研究家の東紀梨子さんが中心になり自然食材を使った料理に挑戦しました。一汁二菜を取り入れた茶会で8人の参加者が、東さんの指導のもと茶事料理を作りました。11時過ぎ、料理作りを終え、着物に着替え、正午からお茶会が始まりました。さて、茶事の方ですが、飯は南米アンデス高原を原産とする穀物、キノアをを使い、向付けは春野菜(さやいんげん、ピーマン、グリーンピースなど)、煮物は豆腐のラグーでパプリカ風味です。香の物はたくあんに、ヒカマ(イモの一種)の浅漬けでコリアンダー風味、それに赤かぶの梅酢浅漬けです。いずれもふだん召し上がれない食材で、皆さん十分堪能しました。

2007年2月3日
草芽庵の2007年の初釜は小池宗雅庵主の帰米を待って2月3日、19名の参加者を集めて行われた。「春入千林処々鶯」の掛軸と恒例の結び柳が飾られた床の間を背景に庵主のお点前による濃茶、薄茶のあと、手作りの料理に舌鼓をうち、節分のお豆も配られて華やいだ1日となった。同時に昨年社中に増えた講師の方々のお祝いも兼ね、今年9月にNYで開かれる本部研修会を控えて心を引き締める1日でもあった。

2007年1月20日
「草芽庵ゆかりの会」が2007年1月20日、東京・東村山市の「去来荘」の茶室で行われた。これはかつてNY草芽庵で学び日本へ帰国後も茶の湯を楽しんでいる方々が庵主の一時帰国に合わせて開く茶会。教授者となって茶道教室を開いている人もいるし、習っている方々も現在の先生は皆異なるが、一堂に集えば皆仲間、懐かしい思い出話や近況報告に穏やかな日本の初春の1日が瞬く間に過ぎた。「ニューヨークで茶の湯に接して一生の宝を得た」との参加者の声に庵主も感銘を受けた。

2006年11月22日
小池宗雅草芽庵主はニューヨーク本願寺の中垣顕実住職、在ニューヨーク総領事館の奥山爾朗広報センター長、フィラデルフィア松風荘の小澤悠一会長らを招き、正午の懇親茶会を催した。この日招かれたのは皆茶会は初めてという方々ばかり。しかし、通常とは順序を変えて、まず薄茶で多少馴染んでいただき、次に濃茶をゆっくり点てるという工夫もあり、すっかり茶の湯を楽しんだ様子、日本クラブ仕出しのランチの頃は日本の伝統文化の奥深さに話題が弾んだ。

2006年10月29日
プリンストン教室で正午の茶事を催した。正午の茶事は他の諸茶事の基本とされているもので、これを習得すれば朝茶、月見など各種の茶事への理解が容易になります。折から名残の紅葉を愛でながら、約4時間にわたり研修、かつ楽しんだ。今更ながら日ごろのお稽古は、このような茶事のためにするのだと一同痛感した。

2006年10月14日
日本庭園があるウエストチェスターにある「ハモンド美術館」でアメリカ人たちを相手にお茶のデモンストレーションを行いました。この日は約30人が午前、午後の部に分かれ、茶の湯を楽しみました。

2006年10月7日
ニュージャージー州のキッズ国際学園で、小学校6年生の生徒を集め茶の湯のデモンストレーションを行いました。当日は10人の6年生が畳みに座り、中村校長先生や教師、父母、下級生が椅子に座って見学しました。日ごろわんぱくな子どもたちも、静かにお茶を楽しみ、日本の伝統文化の素晴らしさに感心していた。

2006年5月25日
メアリーワシントン大学(バージニア州フレデリックバーグ市)で開かれた日米関係シンポジュウム行事の一環として、茶道のデモンストレーションが行われ、シンポジュウム参加者や学生等に、小池宗雅のお点前で薄茶が振舞われた。日本文化に縁の遠い米国の地方都市で初めてのデモンストレーションだったが、熱心な参会者に囲まれ、「同シンポジュウムで最高の分かりやすい日本文化紹介」と好評だった。

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